| ■記事■ |
| ■シュークリーム
関西出身の私は、ヒロタのシュークリームに幼い頃からの思い出がある。高級な洋菓子がさほど販売されて いなかった20数年も前の子供の頃、伯父さんがお土産にヒロタのシュークリームを持って訪ねてくれた時は うれしかった。大人になってからも手頃な値段であるため、仕事帰りに子供のお土産に買って帰ったこともあった。 1924年(大正13年)創業の「洋菓子のヒロタ」(神戸市)が、10月12日に民事再生法の手続き 開始を申し立て、事実上倒産となった。負債総額は約50億円である。ヒロタと言えばシュークリームと シューアイスであったのであるが、売上高は1992年8月期の123億円から、2000年8月期には 半分の約59億円まで落ち込みを見せていた。 ヒロタは次のような会社であった。 私たちの菓子づくりの精神は、とてもシンプルです。「妥協しない」それだけです。素材にテイストに、 焼きかたに、仕上げに、妥協しない。菓子づくりの基本を極めたところに本物のおいしさがあると考える からです。それは大正13年の創業より息づいている、菓子職人のこだわりでもあります。甘さに甘えない、 ザ・ヒロタの本物の味わいを、どうぞギフトとしてご愛用ください。 しかしながら、最近は日本の洋菓子のレベルが高まり、専門店で、デパートの地下で、駅のちょっとした スペースで、激烈な競争を繰り広げている。シュークリームひとつをとっても、味はもちろん、見た目の気品 でも客を引き付け、行列のできる店もよく見かける。そんな中、ごくスタンダードなパッケージ販売のヒロタの シュークリームはおされてしまったのかもしれない。 こだわりにより、昔ながらの変わらないものを提供することも大切に思えるが、その一方で時代の流れと共に オリジナルにさらに創意工夫を加えようとすることが継続的に受け入れられることにつながる。
シュークリームに限ったことではない。人の生活も生涯を通して、知性、愛情、行動力をさらにさらにと、
高めて行こうとする姿勢が、その人の輝きを失わせないことにつながる。
ヒロタの再建がどのような新しいシュークリームを生み出すか楽しみにしたい。単なる店舗の統廃合では もはや生き残れない。 (YOSHI) 蛇足ながら…。 シュークリームのことを英語のつもりでシュークリームと言っても通じない。靴磨きの クリームと誤解される。英語では cream puff が正解。 |
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