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■スピード解決
もきちのきもち 〜ある中学校の保健室にて〜 bP3 スピード解決 ある金曜日の午後、職員室前の廊下で3年の担任が切実な表情で言う。「あいつが行ったら話を聞いてやって欲しい。」と。保健室に戻るとその予想通り、「あいつ」がうつむいて座っていた。主訴は「気持ちが悪い」。熱はない。もう帰りたいと頑なだ。こんな時は何かある。いつものひと通りの対応をし、「なあに、悩み事でもあるの?もしそうだったら一人で考え込まないでよ。」と私は明るく言った。目を伏せたまま、「何もない。」と顔を横に振っている。そして早退。 週が開けて月曜日の朝、またその男子がやってきた。今度は「教室にいたくない。」という。だんだん口が開いてきたぞ。「一緒にいたくない人でもいるの?」と切り出して、誰が何を言ったかを知った。「これは担任の先生に話して解決しよう!」と提案すると、「お願いします。」と従順だった。異変を感じた担任が授業中なのに来てくれた。そして事情を聞き、相手の男子を呼びに行った。「あなたも思っていることをしっかり言いなさいね。」と悩める少年に私は言った。相手の男子はしょんぼりした顔で入って来るや、「いやがることを何度も言ってごめんなさい。これからも仲良くしてください。」と申し訳なさそうな声で言う。「握手しろ。」と後ろで担任の先生が促す。それからもう一人。自分も謝りたいと言う男子がやってきて陳謝。そして、握手。あっけない仲直りを目の当たりにして、私はジンときた。そんなんでいいの?と笑いたくもなった。 「おまえ、もう大丈夫か。」謝罪した二人を教室に戻しながら、担任が聞く。 安心した表情で少し笑顔も見えた。少年よ、金曜日までの日々、週末の2日間。夜、眠れなくなるくらい悩んだ問題にあっけなくピリオドが打たれたね。 学校の中で、担任の先生は親である。誰よりもクラスの子どもを気にかけている。私はそんな先生の気持ちをひしと受け止め、「先生の思い」をできる限り正確に子ども達に伝え、架け橋となるように努めたい。そしてまた逆に、「未熟な子ども心」を見逃している大人達にささやきたい。先生から生徒へ、生徒から先生へ、愛情と尊敬が自由自在に行き来できるように、パイプのような役目を果たすことをこれからも心がけよう。お母さんのように。 悩み事は小さいうちに解決すべし。一人で悩んではいけない。悩むに足らぬものかもしれぬ。 (もきち) |
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