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■春の出来事


 “はっくしょん!” 昨今はこの一発で春の到来を感じる人が増えている。
 春は期待と不安が交差しながら、未来の扉を開く門出の季節。多くの分かれがあり、また多くの出逢いがある。環境が変わり新たな出発を誓う人も多いはずだ。自然界では梅、桃、木蓮、桜前線と共に一気に花が咲き乱れ、そして新緑へ向かう。また春は花粉が飛散し繁殖の季節でもある。しかし、そんな希望の季節を台無しにしているのが花粉症だ。
 潜在人口も含めて国内で2000万人が、何らかの形でこの“病気”に苦しめられている。鼻が詰まり、満足に酸素を補給できず頭がぼーっとするとか、仕事中、鼻水が垂れて何度も鼻をかむ。食事中にくしゃみをした時などは花粉の飛散ではなく“人生の悲惨”だ。
 だいぶ前の話になるが、今日こそ彼女にプロポーズと息巻いていた友人が涙声で電話を掛けて来たことがある。
以下は友人との会話・・・
   “おい、どうしたんだよ沈んだ声で”
   “ふられた!”
   “なんだって!?”
   “今日は絶対プロポーズしようと思って万全を期していたんだけど・・・”
 そこで会話が途切れて涙声・・・後で聞いたら、ラーメンが大好きなその友人は背伸びして横浜の港の夜景を一望できる一流シーサイドレストランを予約。美味しいフランス料理を食べながら彼女との話しは弾んだらしい。いよいよ佳境に入りこの勢いでプロポーズと思った刹那、花粉症の薬が切れたのか爆弾のようなくしゃみを一発。その瞬間食べていた物を吹き出し、彼女の食べていたメインディッシュに突入、本人の顔は鼻水でくちゃくちゃ・・・
 人生絶頂の時を迎えようとしていた友人と彼女のボルテージは一気に下がり、以来お互いの心のボルテージも下がり破局。友人はもうだめだと断末魔の叫び声を上げていた。おー神よ!!
 しかし、そこは捨てる神あれば拾う神ありである。その後失意の彼をみじかで支えた女性がいた。彼の心は序々に癒され、気軽にラーメン屋に共に行ってくれる庶民的なその女性と友人は、次の春めでたくゴールイン。
 結婚式当日、二人で一緒にくしゃみをしている姿が印象的であった。
(TARO)





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