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| ■地上で最も悲しい事件
(2004年1月25日号)
親が子供を虐待するという事件がまた報道されている。大阪で中学3年生の男子が 約1年半もの間に渡り壮絶な虐待を受けた結果、体重が24キロまで減少して、 こん睡状態が続いている。食事も3日に一度、水も親の許可無しには飲ませて もらえなかったらしい。その上、部屋の壁に血痕が残るくらいの暴力を受けたり、 タバコの火を体に押し付けられたりもしている。現在男子は集中治療室での治療が 続いている。 事件発覚後、なぜこのような事態になるまで放置したのか?と、抗議の電話が 中学校に殺到しているらしい。中学校としては、再三男子の自宅に訪問したが 親から面会を拒否され、児童相談所に虐待の可能性を通報している。ところが、 児童相談所も親から事情の説明を受けただけで、それ以上に追求はしていなかった。 この事件に関していくつかの新聞記事を読んでみたが、中学校、児童相談所の 対応のまずさを指摘したり、過去においても児童相談所がなかなか家に強制的に 踏み込めなかった法的な整備のまずさについての指摘が多かった。 ただ記事を読んで素朴な疑問を感じざるを得なかった。短期的には虐待を受けて SOSを発信している子供たちをなんとか救い出す対策が必要であることは 全く正しいが、それは飽くまで短期的な視点である。ほとんどの記事が、そもそも このような虐待を親が行うに至った原因を分析し、その原因を取り除く必要性に まで踏み込んで議論していないように思える。このような虐待を親が行うに至る までには長い期間があったはずであり、そもそもどのような考えをもって親が 結婚し子供を育てるのか、また結婚以前の段階から人の価値をどのように捉え、 大切にするのかといった基本的な人格教育が不十分であったことが問題の核心で あろう。 子供の虐待の問題に限らず、様々な個人、社会問題に対して、私達はもっと 本質(動機)にさかのぼった議論をする必要があるのではないかと感ずる。例えば、 自衛隊のイラク復興支援の議論は、短期的には生死をさ迷うイラクの人々に 可能な限りの支援をするために必要であろう。ただより長期的な観点からすれば、 そもそも何故イラクで戦争が発生するような事態に至ったのか、中東の歴史は どのように流れ、なぜ宗教、国家、民族間で対立がおきるようになったのかなどに ついて問題点を分析し、解決の方向性を議論することが必要ではないかと思う。 一般に長い期間、長い歴史をかけて生じてくる問題は、その解決に長い時間を 要する。そのため忍耐強い対策が必要となる。ところが、忍耐強い対策を継続する ことは大変なエネルギーを要するため、どうしても短期的な解決を急ぐことになる。 ところが短期的な解決は本質的な解決ではないため、繰り返し同様の問題が 現れることになる。その意味で私達は時間はかかるけれど、本質を見つめた 問題分析、課題解決に向けた努力を意識的にでも取組んで行く必要があると考える。 教育を考えるNGOであるWHI(ホワイハウ研究所)は、ホームページで 繰り返し発信しているように、個人から社会の問題解決において、その本質は 一人一人の人格形成教育にあると考え、様々な運動に取組んでいる。 - webmaster - |
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