■長崎園児殺害事件  (2003年7月3日号)


7月1日に発生した長崎での園児殺害事件は、子供を持つ親にとっては特に衝撃的な事件であった。 家電量販店で親が目を離したすきに連れ去られ、近くの立体駐車場7階から投げ落とされた可能性が 高いようだ。しかも衣服も脱がされて、捨て去られている。私は殺害された男児と同じ歳の息子がいるため、 今までにないショックを受け、亡くなった4歳の男児には 「このような大人の社会を許してほしい」 と、 心から謝りたい気持ちで一杯になった。

つい1ヶ月前も大阪の熊取町で小学校4年生の女児が何者かによって連れ去られ、その後手がかりが 掴めていない。私がかつて住んでいた町だけに、ご両親の苦しみ、そして女児の言葉で表現できないで あろう恐怖は人ごとではない。事件後、熊取町では子供達が外で遊ぶといったごく当たり前の風景すら 見かけない。

子供は元来、自由に行動し、いろいろな発見を自らするものである。買い物に出かけても、親の手を 振り放って一人で行動したがるのに、野外はもちろん、店内においても、常に子供から目が離せない 不自由な社会になってしまった。

このような事件が全国で頻発する現在の日本社会は、明らかに異常と言わざるを得ない。そしてこの現状を 打開するために、店内の監視カメラ、警備員を増強するといったことは一時的な対策にすぎないであろう。 より本質的な対策としては、家庭、学校を始めとした教育の現場で、さらには地域社会において、本来ある べき人と人のつながりについて考え、議論し、実行して行くことの必要性を感ずる。残念ながら、戦後の 学校教育では、個人の価値観にまで敢えて積極的に踏み込まなかったことも、このような日本社会の現状を 生み出した一因となっているのではないかと感ずる。一夜にして現在の社会状況が出来上がったものでは ないため、根気強い取り組みが必要であろう。

通勤途中に時々街角の交番の掲示板を見る。小さい子供が行方不明になったり、ひき逃げにあったりといった、 残された家族には何とも無念な事件の掲示がたくさんことがわかる。

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