■最近の凶悪犯罪に思う  (2003年5月14日号)


12日朝に福岡で発生した、登校中の小学5年生の背中にガソリンをかけて火をつけた事件には 力を失う悲しみを感じた。被害にあった小学生には心身共の苦痛が少しでもやわらいでほしいと 心から願いたい。さらに13日朝にも奈良県で登校中の小学校3年生の女児の首に高校1年生が カッターナイフを突きつけ、5日間のけがをするという事件が発生した。

これらの事件に限らず、最近は連続通り魔事件ほかの凶悪犯罪が日本全国で発生している。 かつて世界一安全な国と言われた日本も、何が起きても不思議でない犯罪国家に転落してしまった。

警察庁の推定では、日本国内において覚せい剤を乱用する者の数はおよそ160万人で、何と 国民80人に1人という割合である。また20代に大麻汚染が拡大していることが指摘されている。 とても信じられない数である。

戦後の日本は何も無いところからの出発で、人々は勤勉に働き、忍耐強い精神力を持ち合わせて いたと感ずる。しかしながら、経済大国となり国の繁栄が絶頂期(バブル)を迎えたのも束の間、 今度は一転して経済は低迷を続けている。

何もなければ、そのような状況から何かを得ようと努力することで将来への希望もあるが、経済的な 絶頂期を体験した後に下降線に沿って落ちて行く時は、おそらく一番精神的に困難な時期となるで あろう。現役でばりばり仕事をしていた人が定年退職後にやる気を急激に失ったり、或いは、クーラーが 良くきいた通勤電車で快適な通勤に慣れた人が、クーラー無しの電車などもはや耐えられなかったり するように。今の日本がそのような時期を迎えていると思う。

しかしながら、経済的な絶頂期を越えた時こそ、精神的な豊かさが問われる時であろう。多くの凶悪 犯罪から感ずることは、「時間と空間にゆとりがない」ことである。例えば「前後の見境なく犯行に 及んだ」というのは、自分が行うことがどのような結果を招くかという「時間の流れ」を考えることが できないことによる。また「無差別に犯行に及んだ」というのは、「周囲(空間)」に対する配慮ができ ないことによる。「時間と空間にゆとりがない」ということは、結局「今の自分」しか考えられない、 狭い精神状態に陥っていることになる。一朝一夕には解決できない問題ではあろうが、「時間と空間に ゆとりがある」教育をWHI(ホワイハウ研究所)では提唱している。

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