■資本主義の崩壊(T) アメリカンドリームは悪夢に  (2002年7月9日号)

2001年9月11日、資本主義を象徴すると言われたニューヨーク世界貿易センタービルが テロリストにより崩落した。しかし今度は資本主義を築き上げたアメリカ人自らの手により、 資本主義そのものが崩壊しつつある。

ITバブルがはじけた2000年、アメリカでは株式を公開している上場会社176社が破産 する(額にして950億ドル)という記録となった。そして2001年、その記録が塗りかえ られ、上場会社257社が破産した(額にして2580億ドル)。さらに今年2002年に 入っても、第1四半期ですでに67の上場会社が破産している。

アメリカ時間の7月8日、巨額の粉飾決算(38億ドルの水増し利益)を行った米国長距離電話 最大手のワールドコムの元CEO(Chief Executive Officer:最高経営責任者)、元CFO (Chief Financial Officer:最高財務責任者)が米国議会公聴会で証言を拒否した。

昨年の米電力卸しエンロン社の粉飾決算、また最近でも米ゼロックス社の粉飾決算の疑い など、超優良企業とされてきたこれら企業による不正が原因となり、米国のみならず全世界の 株式市場で投資家(株主)の不信感が高まっている。あのガラス張りの透明さで知られた NY株式市場に上場する企業ですらこのような状況にある。

では企業内部にはこれらの不正を監視する機構がなかったのであろうか?本来はそうでは なかった。

Corporate Governance(コーポレート・ガバナンス)という言葉がある。直訳すれば「企業統治」 という意味で、会社の方針を誰がどのように決定し、また如何に監視するかという仕組みを表す。 通常この仕組みには、@株主、A取締役会、B監査役が主要な役割を果たすとされてきた。実際は 国によってその仕組みは同じではなく、例えば日本では取締役会の権限が少なくともこれまでは 強く、株主総会は儀式化していた。一方、よく知られたことであるが、米国では株主の権限(権利) が非常に強い。さらに最近では、@〜B以外にも会社の利害に関わる存在(いわゆるステーク ホルダー)も、コーポレート・ガバナンスに加わらなければ、会社の運営はスムーズに行かないと いう考えも多い。
−続く−

(YOSHI)



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