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| ■牛肉詰替え問題
(2002年1月25日号)
集団食中毒事件でおよそ1年半前に大きな社会問題を引き起こした雪印乳業ではあるが、今度は子会社である 雪印食品が不祥事を起こした。 狂牛病対策として日本政府は国産牛肉への消費者不信感を払拭するために、国産牛買い上げ制度を設け、 約200億円の税金が使われると伝えられていた。ところが、このような政府の苦渋の選択を悪用して、輸入牛肉を 国産牛肉の箱に詰め替えて不正に補助金(1460万円分)を得ようとしていたことが発覚したのである。 得体の知れない企業ならともかく、雪印乳業は東証一部、雪印食品は東証二部上場企業であり、このような 不祥事が上場企業で続くとは、上場企業の社会的信用・責任も失墜したものだと感ずる。ちなみに雪印乳業は 資本金278億円、雪印食品は資本金21億円の優良企業である。また雪印乳業の2002年3月期の連結売上高は 1兆2000億円(前期比5%増)、営業損益は210億円の赤字(前期は561億円の赤字)という計画が発表されていた。 1兆円超えの売上を誇っていたのである。 親会社の雪印乳業は、2003年3月期には連結・単体とも黒字転換を目指していたものの、もはや不可能な状況に 追い込まれるかもしれない。今回の不祥事が明らかになった1月23日の東京株式市場の株価は、雪印食品が 前日比20円安の72円に急落。親会社の雪印乳業も49円安の175円で取引を終えている。雪印乳業は雪印食品の65%の 株式を保有しているそうだが、この日の株価下落だけで、 20円 × 0.65 × 42,815,761 (発行済み株式数) = 約5億5千万円 という巨額の評価損が親会社である雪印乳業に発生したことになる。わずか1千万強のお金を騙し取るためにである。 回復しつつあった雪印ブランドの店頭からの撤去などの措置を考えれば、その損失は株式評価損よりはるかに 膨大なものになるに違いない。 さてここで考えてみたいことは次のとおりである。 親会社が大きな不祥事を起こして、社会的制裁を受けていることを身近で見ていながら、何故同様の不祥事を 子会社が起こしたのか? 実は同様のことは日常至るところで発生している。会社である部署に問題が発生して、その対策、教訓に関する 情報が社内で周知徹底されているようでも、ほとんど「人ごと」である。飲酒運転で重大な事故を起こして、 遺族の無念な思いが報道されても、ほとんど「人ごと」である。 人の本性として、人からあれこれと指示され、意味もわからずそのごとく行動することには「責任感」とか、 「本気」が伴わないことが多い。また自分が直接関係しなければ「責任感」が伴わないのも事実である。 自分の意志で、より全体に、またより広い範囲に対して責任を持とうとする人たちの集まりであれば、今回のような 不祥事は防ぐことができたかもしれない。そのような責任感を自分の意志で持てる社員を、どれだけ育てたかが 企業経営者の本質的な実績であるはずである。一部報道で伝えられているように、今回の事件に本社上層部の関与を 否定する弁明があったが、それは本質からはずれている。 ではいったい、責任感を自分の意志で持てる社員を、経営者はどのように育てることができるのであろうか? 責任感の背景には、誰かを、或いは何かを愛するという「愛情」が必ずある。「愛情」なき責任感はあり得ない のである。その「愛情」は、ある時は顧客であり、ある時は自分の担当業務であり、ある時は自分が属する会社 なのである。この「愛情」は知識として習得できるものではない。経営者が自らの姿勢により社員に伝えるものである。 このように考えてみれば、WHIの基本理念であるホワイハウメッソド ( WHOM : Why HOw Method )が、 宇宙の本質は「愛情」であると解説していることが、単に観念的な夢物語ではなく、現実の社会生活、社会問題に 直結していることがおわかり頂けると思う。 (YOSHI) |
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