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| ■再びくすぶる中東情勢
(2001年12月8日号)
中東情勢が悪化の一途を辿っている。1993年のオスロ暫定自治合意以前の状態に逆戻りしてしまった。イスラエルのシャロン首相は、一連のエルサレムにおけるパレスティナ過激派による爆破テロに業を煮やし、ついに閣議でパレスティナ自治政府をテロ支援組織であると見なし対テロ戦争を布告した。シャロン氏は、アメリカのブッシュ大統領がビンラーディン及びアルカイーダを支援するタリバンに対テロ戦争を布告したのと全く同じ論理をパレスティナ自治政府に当てはめている。 しかし、ちょっと待ってほしい。まずパレスティナ自治政府がテロ組織を支援していると決めつけているが、あれだけ卑劣な犯罪を犯したビンラーディンを支援したタリバン自身もアフガニスタンにとっては、テロリスト同然の存在ではなかったか? それに引き換えパレスティナ自治政府は基本的には民衆の代表としてしっかり交渉の場に姿を表し交渉に応じていた。むしろ今回の一連の闘争を招いた原因は昨年9月、労働党のバラク政権当時、野党リクードの党首だったシャロン氏が、イスラムの安息日に彼らの聖地"嘆きの丘"を多数の警官を引き連れて踏み入り、パレスティナ人たちを挑発したことに端を発しているのである。その後怒ったパレスティナ民衆はイスラエルへの敵意をむき出しにし、一方イスラエルではパレスティナ強硬派が台頭し、和平推進派のバラク労働党政権を倒し、シャロン氏自らが首相に公選され、今日に至っているのである。 しかし、もっと言うと今回の事件の背後には歴史的なユダヤの発想が見え隠れする。ユダヤは選民思想に基づき、自分たちが唯一の神の民族という誇りを持っている。そして、イスラエルは選民ユダヤに与えられた約束の地である。そのような思想の基、強硬派は断固神の地を異邦人には渡さないという考え方を持っているのである。それがまさにシャロン氏率いるリクードであると言っても過言ではない。 中東和平において軍事面、経済面を含めてキャスティングボートを握っているのは間違いなくイスラエルなのである。そのイスラエルが自分たちの神ゆえにもしエゴを貫けば、導きだされる結果は悲惨なものになるに違いない。 (Taro) |
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