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| ■テロから2か月 ニューヨーク株式市場 (2001年11月13日号)
9月11日のアメリカ同時多発テロから2か月が過ぎた。テロの後、5営業ぶりに取引を再開したニューヨーク証券取引所は売りが殺到し、その週は5日続落という惨憺たる状況にあった。その後、すでにITバブル崩壊により、テロ以前から暴落していたナスダック総合指数は10月12日にテロ以前の水準を回復した。そして11月9日には、ダウ工業株平均がようやくテロ前の水準に戻した(9月10日のテロ前日には、ダウ工業株平均が9605.51ドル、ナスダック指数が1695.37ポイントであった)。テロによる一段の世界経済の減速、国際情勢の緊迫化、さらには炭疽菌の被害、続々と伝えられた企業の業績下方修正、経済指標の悪化を克服してようやくである。
ただ、冷静に考えて見れば、そもそもテロ以前の段階で、米国経済の陰りが報じられ、依然としてテロの脅威が残る以上、まだまだこれからが本格的に厳しい期間となるのかもしれない。特に株価チャートの比較からわかるように、ダウ工業株平均にはまだまだ下げの余地を残している。もっともナスダック総合指数の暴落は、90年代後半にITバブルにより上げすぎた反動があっただけとも言えるのであるが。いずれにせよ、ダウ工業株平均はこれからが正念場で、株価チャートを見れば、心理的な10,000ドルの抵抗線を突き抜けることができるか、それとも再び下降し、テロ後の安値を支持できるかがポイントとなろう。もしテロ後の安値を支持できなければ、今度は97から98年の支持線である、7,000ドル台後半の攻防となろう。 さて、90年代後半に期待されたIT産業による経済の伸びも、現状では余り期待できそうにない。では次にどのような産業が経済を率いて行く可能性があるのであろうか? 個人的にはすでに経済のコーナーで述べてきたとおり、顧客に対してより心がこもった、また顧客の内的な成長を願った製品、サービスにウエイトがシフトすると思われる。その理由のひとつとして、不景気により次第に元気を失った人々の心をつかみ、支持されるのは、心のこもった製品、サービスしかないと考えるからである。 日本もいよいよ失業率が5.3%となり、過去最悪を記録している。そんな中、政府の一部からは、すでにヨーロッパで先行しているワークシェアリング(仕事を分かち合うこと。個人の給料は減るが、失業率を抑えることができる。)の導入についての発言が聞かれる。短期的にはやむを得ないかもしれないが、ワークシェアリングは先細り思考で、抜本的な解決策にはなるまい。 先日アメリカ人の友人が日本に来たので、テロ前後のアメリカ人の考え方の変化についていろいろと話あった。また「アメリカはなぜこれまで物質主義になりがちであったのか?」と尋ねてみた。彼が言うには「アメリカ人にかかわらず、経済的に繁栄している時、人はどうしても物質主義に傾きやすいのではないか。」ということであった。「なるほど。」と思った。一見、世界経済に強気となる材料は見当たらないけれど、このことは「物質主義」から「精神主義」への転換の時期であり、WHOM(フーム)が述べているように、すべてを今一度、「なぜ?」(WHY)という観点から見直す時期に至っていると感じる。その「なぜ?」(WHY)を見極めた上で、物質的な豊かさ(HOW)も追求することが正道であろう。 よくよく考えてみれば、「経済」は如何にモノを全体に配分するかということを追求する分野であり、その背景、根底にある人の生きる目的、動機、人が築く社会の目的、構想を見失っては行き詰まるのも至極当たり前なのかもしれない。これからは、モノを如何に全体に配分するかというよりは、人が生きて行く動機となる「愛情」「喜び」といった精神的な要素を、如何に全体に伝え、行き渡らせるかということの方がより次元の高い分野になるような気がする。「経済」だけでは、「経済」は解決しない。 (YOSHI) |
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