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| ■苛立ちのひとり言 (2001年9月21日号)
現在、時刻は日本時間9月21日の午前1時00分。ニューヨークは9月20日の午後0時00分。ニューヨーク証券取引所が17日に再開されてから4日目を迎えるが、ダウ平均株価は4日続落で、前日からさらに266ドル安の急落で、8492ドルとついに8500ドルも割込んでしまった。 CNNfn(financial news) のホームページ [http://cnnfn.cnn.com/] では、トップ見出しに "No Balm for Wall St." <ウォールストリートに痛み止めなし>、或いは、"Wall St. can't calm down." <ウォールストリートは平静さを取り戻せない>、とまで出ている。これは20日の米国議会でグリーンスパン米連邦準備理事会(FRB)議長が、短期的には今回のテロの経済への影響について警告したものの、長期的には前向きな発言をしたにもかかわらず、ダウ平均株価が続急落していることによる。 またこのような米株安を受けて、昨日までの日銀の円売り介入にもかかわらず、ドルは急落して1ドル115円台に突入している。さらには通常、株式市場が売られた場合に、より安全な債券市場に資金が流れるものであるが、米債券市場まで売られている。いわゆる、株、債券、通貨が全て売られるトリプル安である。 同時多発テロ後のアメリカ経済が短期間で回復するか、長期低迷を続けるかについてはアメリカでも意見が分かれるところであるが、米国経済アナリストの中には「現在の株式市場は明らかに売られ過ぎ」とコメントする人もいる。 ところで、ここ数日の日本政府、或いは日本の産業界を代表する人々の発言には苛立ちすら感じる。 「世界の景気を支えてきたアメリカの個人消費が、今回のテロ事件により冷え込みつつあり、その影響を日本はまともに受ける。」 「日本経済の回復にはアメリカを初めとする国々への輸出が重要で、円高は容認できない。」 確かに小泉首相はアメリカに頼らない内需拡大・構造改革を訴えているので、このような発言とは一線を画する。また、かつて円高が原因で生産拠点を海外にシフトした結果、国内産業の空洞化という問題が発生した。さらには、円安のおかげで貿易黒字を維持することもできた。そのため、上記のような発言の気持ちは十分にわかる。 しかしながら、アメリカ経済が現在深刻な局面を迎えている状況下にあって、また世界が戦争に巻き込まれるかもしれないという状況下にあって、まだ円安誘導などでアメリカの個人消費による国内景気回復を期待するとは、何事か!と苛立つ。もし日本が世界の経済小国であるならまだしも、1998年のデータによれば世界中のGDP(国内総生産)に占める、日本のGDPは13.4%で、1位アメリカの29.3%に次ぐ位置にいるわけである。その経済大国日本が、自国の利益確保に主眼を置いた発言を繰り返すとはなさけない。 そもそも昭和30年代から40年代の日本の高度経済成長時代において、金利が低めに抑えられ、その結果企業の設備投資が促進され、輸出製品の価格競争力が高まったとされている。その輸出立国日本の成功例が未だに発想、行動パターンに反映されているのかもしれない。自国の経済成長を他国にいつまでも頼ろうとする姿はなさけない。苛立ちの独り言である。 [PARIS PARIS] |
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