■「正義を」米同時多発テロに寄せて(2)  (2001年9月16日号)

事件が起きて、もうすでに4日が経つが特別な報道体制が続いている。

事件を取り巻く状況が、少しずつ明らかになってきている。そんな中、ペンシルバニア州に墜落したニューヨーク近郊のニューアーク発サンフランシスコ行きの便に乗っていたひとりの男性が妻にかけた電話の内容が公開されている。「これから、何人かの人と犯人と戦うつもりだ。娘を頼む。いい人生を。」とうものだったと言う。この会話の数分後には墜落した。電話がされた時刻には、すでに2機が世界貿易センタービルに突っ込んだ後だ。きっとその状況を電話で妻から知らされたに違いない。テロリストは、ホワイトハウスと大統領専用機も狙っていたと言われている。このピッツバーグで墜落した飛行機も、もしかしたらテロリストによってそのために使われることになったかもしれない。この先は、予想の域を出ないが、この勇敢な男性たちがホワイトハウスや大統領専用機を被害から救ったのかもしれない。極限の状況の中で、そのようなことが言える勇気に頭が下がる。

今年の5月佐賀を出た高速バスが少年に乗っ取られた。その時、窓から逃げる人こそいたが、戦おうという人はいなかった。それは無謀なことであり、今回の状況とは単純に比較はできない。

しかし、数人の米国人とは言え彼らがそのような行動に出た背後には、アメリカという国の懐の広さを感じる。また、数多くのレスキュー隊員がビルから逃げる人とは逆の方向に進み、崩れたビルで犠牲になった。確かに、アメリカは犯罪が多発し続け荒廃している部分もある。しかし、自由を求め建国した崇高な精神が息づいているように思う。

今アメリカは一つになっている。家族や友人を失った悲しみと怒りは簡単には癒えるものではない。しかし、そのエネルギーが、ならず者を懲らしめるだけではなく、最終的にはそのものたちをかき抱く懐の広さも持っていってくれればと思う。世界を代表する国家、アメリカの今後に世界が注目している。

(wa)



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