■「正義を」米同時多発テロに寄せて  (2001年9月13日号)

映画のシーンか現実かわからないような映像だった。こんな映像は初めて見た。とにかくショックだ。 なぜこんなことに?というのがその時の気持ちだった。

今回のテロは、実に用意周到である。相当前から準備し、訓練してきたように見える。ちょっとマニュアルを 見ただけで、標的に向かって飛行機は操縦できるのだろうか。オートからマニュアルに解除して、それから 機体をコントロールしてととても素人にできることではない。しかも、自爆している。最近日本で見られる 「ちょっと切れて・・・」とか「短絡的な自己中心的」というものではない。きっと、確固たる信念と自己 コントロール能力と犠牲をもいとわない精神を持っているはずだ。しかし、その方向性が問題だ。それが、 自分と他を喜びへと、幸福へと、繁栄へと持っていってくれるなら賞賛を浴びるであろう。果たして彼らの 目的は何か。命まで捨てて何がしたかったのだろう。

報道では、イスラムの関連組織ではないかと言われている。イスラエルとそれを支援する米国に強烈な反感を 抱いているという。同時テロの映像を見て、街で歓喜にあふれている地域が映し出された。これも報復なのか。 報復合戦が昂じると全面戦争になる。どこかで止めなくてはならない。解決のためには、原因へたどっていく 必要がある。イスラムとイスラエルの起源をたどっていくと、旧約聖書に登場するアブラハムというひとりの 人物にたどり着く。両者の起源は、ひとりの父親にたどり着く。イスラエルはアブラハムと正妻サラの子イサクを 起源としており、イスラムは妾ハガルの子イシマエルを起源とする。つまり2人は異母兄弟だった。聖書には、 2人の女性は仲が悪く、サラはハガルを追い出したと記録してある。この母を起点とした兄弟げんかが今日の イスラエルとイスラムの対立になっている。大きな戦いも小さな、恨み、嫉妬を発露としている。

彼らの目的が、単に自分の民族の優位性を誇示し、恨みを晴らすものだけなら、どんな智恵もチームワークも 行動力も価値をもてない。永遠性をもてない。それは、大きな勘違いである。世界の目的は、万民の幸福であり、 平和であり、豊かさの実現であるはずだ。今回のテロは全くそれに反するものだ。

邪悪に対しては、しっかりと正義を通すべきであり、米国もそのような姿勢をとると大統領が宣言している。 そこには決して報復でない、本当の正義を見せていって欲しい。報復では、決して終わりは来ない。

(wa)



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