■世界経済デフレ傾向加速か?  激烈な価格+α競争時代  (2001年8月7日号)

2001年に入り、世界の株式市場では株価低迷が続いている。国内ではすでに松下を初めとする大手家電メーカーが2001年度の中間決算、通期決算で大幅な赤字を予測している。さらに昨日8月6日に内閣府が発表した6月の景気動向指数(速報)は、景気後退色を一段と鮮明にしており、6か月連続50%(景気の良し悪しの分岐点が50%)を下回る結果となっている。

国内では外食産業を初めとして、各種業界で低価格攻勢に火がついているが、6日のニューヨーク株式市場では、半導体最大手で世界を代表するハイテク企業である米国インテル社が、米国半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)社に対抗して、ワークステーションやサーバなどに用いるハイエンドチップを8月26日に50%値下げするであろうというニュースが飛び込み、寄付きから値を下げている。

これまで世界経済をリードしてきたIT産業でもこのような価格戦争が継続しているため、今後世界経済はデフレ傾向を加速する懸念が高まっている。

さてここで最近何かと話題に登る、企業の「価格戦略」について考えてみたい。通常「価格設定」方式としては次の2種類がある。

@原価志向価格設定:
売り手が適切な利益を確保するために、製品・サービス提供に必要な原価に基づき価格を決定する方式で、最も一般的である。
A競争志向価格設定:
製品が差別化されていないため、売り手間の競争が存在する場合の価格決定方式で、売り手同士が疲弊することが多い。

さらに「新製品」に関する価格設定方式として有名なものは次の2種類である。

@ペネトレーション・プライシング(市場浸透価格設定):
早期に市場シェアを獲得するために、敢えてコストと同程度かそれ以下に価格設定する方式。
Aスキミング・プライシング(上澄みすくい価格設定):
初期に高価格を設定し、早期に投資資金回収、利益確保するための価格設定方式。

上述のどの価格設定方式を選択するかについては、市場、製品、会社規模、競合関係等の様々な前提条件を考慮する必要があり、詳細はここでは省略するが、新製品にせよ、既存製品にせよ、価格競争が続けば続くほど売り手は大変な負担となる。したがって一般的には企業は「価格のみの競争」を避け、自社製品・サービスの差別化を図ろうとする(実際はこれもまた大変なのだが…)。しかしながら、現在の競争環境は国内ライバルだけを相手にするのでなく、海外勢を巻き込んでおり、さらにもはや「価格のみの競争」の時代は過ぎ去り、「価格+品質・サービス」の時代に入っているため、競争はなおさら激烈なものとなっている。買い手にとっては有難い話であるが、買い手もなんらかの形で企業から収入を得ているので、結局買い手にとっても中・長期的に見れば購買意欲は落ち込んでしまうに違いない。

この様に現在の世界経済、企業経営の環境はかつて、それも数年前と比較して激変しており、しばらくの間は新しい経済体制、企業経営のあり方について暗中模索、試行錯誤の連続の期間が続くに違いない。ではどのような経済体制、企業経営のあり方が望ましいのか?については、このWHIのホームページで今後あらゆる角度から検証して行きたい。

(YOSHI)



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