■児童虐待 (2001年6月26日号)

先日、厚生労働省より平成12年度の児童虐待相談件数が18,804件にのぼったと 報告されました。これは前年比の5割増、10年前の16倍にあたるそうです。平成11年10月時点で、日本の20才未満の人口が約2,500万人ですので、全体に占める割合は0.1%未満ですが、相談件数の急上昇が特に問題視されています。また相談されていない虐待ケース、虐待とまでいかなくてもそれに近いケースも想定されるため、家庭内の状況はかなり深刻なようです。

虐待がひどい場合は施設に保護され、職員により愛情豊かにケアされるそうですが、施設から家庭に戻った時、再度親から虐待を受けることもよくあるようで、その時の子供のショックがどれだけ大きいかは想像に難くありません。子供は施設でケアされても、親はケアされていないことが問題のようです。

私は貧しい家庭に育って、他の家庭と比較してとても寂しい思いをしたことが幼少時代にたくさんありました。それでも両親が精一杯自分に愛情を注いでくれたことは記憶しています。ひとりで生きて行くことができない子供が、もし頼りたい親から虐待を受けるとすれば、子供の精神状態は余りにも無残な状態になるのではないでしょうか。なんと悲しい子供の姿でしょう。

考えてみれば、人は20年近く自分の子供を育て、責任を持たないといけません。育て上げた喜びはそれだけに深いと言えますが、逆に忍耐する期間も長くなります。論理の飛躍と言われるかも知れませんが、生活インフラ、情報インフラが整い、お金さえあれば何でも忍耐、苦痛を伴わず入手できる時代になっています。また数年前には米国を中心に、金融工学に脚光があび、苦労して物を作らなくても、金融によりお金もうけすることに人は心を奪われていました。忍耐を伴わない環境は、人に良くないとまで言うつもりはありませんが、どうもその傾向が思わぬところで現れてきているようで、その例が児童虐待のように思えます。忍耐できない親、若者、子供が増えていると感じているのは、私だけでしょうか。 - chisato -



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