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●心の絵 (2004/6/3) HEART LAND 2004 bV 心の絵 筆を持つようになり、そろそろ7年になる。書道教室の先輩が、書くための道具を専門店で一緒に買いそろえてくださった日のことを懐かしく思い出す。「万丈」という香りの良い墨に出会ったのはこの時だ。心静かにこれを磨るひとときは、何よりの贅沢な時間。 毎月二回の教室の日は、いつもあっという間にやってくる。毎月の課題は大量で、それがきつくてきつくて仕方ない。昇段の度に提出物が増えていく。六段になった今、10種類以上の違うタイプの作品を3枚ずつ提出することを願われるようになった。 いい調子で書けるようになった頃、結婚をした。とたんに書道に費やす時間がなくなり苦しくなった。一人の時は、部屋をきれいに掃除し、身体を清め、お香をたき、優しい音楽を流しながら墨を磨った。こんなに優雅でいいのかなと疑問を持ったりもした。それがそうはいかなくなった。 結婚をして1年目、書を始めて三年目の時、あまりの辛さにやめたくなった。 後から入ってきた人に段を追い抜かされたり、いろいろなことに不満を抱くようになった。I MET A DEVIL.そんな心を悲しく思ったり、反省したり。時々、燃えて、時々、さぼる。その繰り返し、また繰り返し。 妹に「やめたい気持ち」を話した時、「やっちゃんも世俗的になっちゃったね。せっかく打ち込めるものがあるのにもったいない。」と言われ、ものすごく、はっとした。そうだ!私は世俗的であってはならないのだ。私に与えられた天分を全うして、証さなればならないものがある。 そう思ってから、存分に書けなくてもやめたいと思わなくなった。心身や身辺の環境が少々整っていなくても、気持ちをきりかえて書けるようになった。実力も努力もないのに、雅号が欲しいと思う気持ちもなくなった。私を追い抜かしていった人達はいつしか教室をやめ、名前も姿も消していた。 毎年6月にある書道展で、昨年は「芸術作家賞」、今年は「副理事長賞」という格好いい名の賞をいただいた。驚いた!恐れ多い。「書は心の絵なり」。いつか先生に教えていただいた言葉が頭をよぎる。これからも精進の日々は続く。そのしあわせ。 (ひらめきのペガサス) |
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