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●出張見聞記(4) ドイツ編 「オフィスにケーキ」 (2004/5/6) ある日、会社のオフィスに出向くと大きなケーキが置いてあった。ははーん、あれだな。誰だろうと思っていたら、ニコニコしながら男性が寄ってきて、どうぞお一つという。あなたの誕生日なのですかと聞くと、ニコニコしながらうなずく。それはおめでとうと握手を求めると、待ってましたとばかり、ありがとうと言った。早速、大きな一切れを頂いた。その後も出勤してくる人は、誰の?などと聞きながらその男性のところに行って挨拶している。いくつになったの、とかそろそろ身を固めなよなどと言っているのも聞こえる。 ドイツでは、誕生日には日ごろの感謝の印として何か振舞う。祝ってもらうために上げるという策略的な感じはない。習慣として常識的に見える。ご近所に対しても行うだろうが、会社でもよく見かける。ほとんどの場合、ケーキが多いが、菓子パンのようなものや時には土地柄でソーセージのこともある。ユニークなケーキもあって、それは社員の奥さんの作ったものだったこともあった。多くの人がそのようにするようで、1,2週間に1回はある。実習に来ていた学生が帰るにあたって、お世話になりましたからといって振舞ってくれたケースもあった。 日本のことを思った。特別な日には何かもらえると期待して待つ傾向はないだろうか。何かをもらえるだろうと思っている人にとって、もらえないことは絶望になる。もらうことがゼロで、もらえないことがマイナスになるからだ。逆に、誕生日には日ごろの感謝で何かを上げようと思えば何か特別なプレゼントがもらえなくてもがっかりはしない。上げることでプラスのことをしているからだ。日ごろの感謝の気持ちを持って、それをしているのであれば、さらにそれに対して返ってくる「ありがとう」はプラスのことである。 何かを上げることによって、自然に何かを得るということを体で知っているように見えた。そんなことを日常的にやってのける人たちの懐の深さが余裕となって人間を大きく感じさせた。 それでは私もドイツ流でと帰国するときにケーキを振舞う予定だったが、間に合わず、同僚に託し後で振舞ってもらった。その後現地から送られてきたいくつかのビジネスメールの最後に、ケーキはおいしかったですと書いてあった。 (出張見聞記ドイツ編完) (wa) |
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