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出張見聞記(4) ドイツ編 「ドイツのリストラ」 (2004/5/5)


世界中の企業が、収益体制を確保し会社を存続させるためリストラを行っている。不採算部門を清算し、人員を再配置あるいは削減する。かなり厳しいものである。日本でも多くの会社が行ってきた。会社同士の合併や、買収も余儀なくされてきた。ドイツでも不況のあおりを受けて多くの企業でリストラがなされているという。

休日を利用して、昔知り合った友人に会った。彼は去年リストラされたのだがメールで詳細を聞ける内容でもないので、応援だけをし、そのままになっていた。直接会うのは7,8年前ぶりである。

会って、早速そのことを聞いた。彼は聞かれることをわかっていたように、「その時」の状況を話してくれた。ある木曜日にプレシデントに呼ばれ、解雇すると伝えられ、明日中に荷物をまとめて出て行って欲しいと伝えられたという。あまりの突然で、何と言っていいかわからなかったそうだ。かれは20年間その会社に勤め、上のクラスのマネーシャーとして働いていたが、その時彼が受けた言葉の中には何のねぎらいの言葉もなかったという。ただ、伝えますと言うだけのほんの数分の出来事だったそうだ。

こんな突然なやり方がこの国の一般的なやり方なのだろうかと思った。せめて、退職金ぐらいは優位にしてもらえたのだろうか。心配になったが詳細には聞かなかったが何ヶ月間かは次の職につけるよう支援はあったようだ。

その後、最終的に彼はあるベンチャー企業に就職しているそうだ。世界をまたにかけて活躍していることも聞いた。その自慢の小さな製品を見せてくれた。今度大きなメーカーにも採用されることになったというその部品を、彼は目を輝かせながら説明してくれた。

ちょっと意地悪な質問と思ったが、前の会社をどのように思っているかと聞いてみた。答えはとても単純だった。仕方のないことだと思う。そうしなければならなかった立場もわかる。と言ってくれた。私はとても安心した。国民性というより、それは個人の考え方の特性だと思った。過去を否定せずに、未来に向かって進んでいこうとする姿は、国籍を超えて心にしみた。

その小さな製品を見る目には、7,8年前にはなかった眼鏡があった。私が、眼鏡をかけるしぐさをして見せたら、彼ははっと気づいたように恥ずかしそうにそれを外した。

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