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生意気な年賀状 (2004/2/12)


HEART LAND 2004     1月号 

    生意気な年賀状

 ある年の1月、学んでいる書道教室に出かけて行くと、先生が「年賀状大賞をあげよう。」とおっしゃった。 その年の年賀状は、150枚程をじっくりと筆で仕上げた。確かに心を込めて書いたものだけれど、尊敬する 先生に思いがけずそのようなお言葉をいただき、涙があふれそうになった。
 その晩、主人と初めて出会った。昼間の感激を初対面のその男性に何気なく話したところ、「来年は僕の 年賀状も書いてください。」と言われた。結婚は、そんな会話から急展開していった。今では懐かしい思い出である。

 年賀状の作成は、毎年11月から始める。ちょうどその頃、半紙に一文字を大きく書く作品の昇段試験が あるので、先生が課題に選んでくださった文字を年賀状の中央に入れることに決めている。合わせて、翌年の 干支から想像する言葉を探すために広辞苑を開いたり、テレビや雑誌や友達からの情報に耳を傾けながら、 誰もにあてはまる翌年への願いを考えてみたりする。そして、過ぎた10ケ月を振り返りながら我が家の キーワードとなるできごとや言葉を拾い集める。私が特に大切にするのは、その年に他界された方にまつわる エピソード。それは必ず盛り込みたい。年賀状を作る2ケ月間は今年と来年の狭間にあり、今年の集大成に 役立つし、来年の期待に胸がふくらむ。あれやこれやの素材を織り込んで、それらを限られたスペースの中に 散りばめるのは楽しくて仕方ない。これくらい、愛とエネルギーを込めてお料理を作ったら、主人は泣いて 喜ぶだろう。ごめんなさい。私は年賀状に思いを注いでいる。
 昨年は二人合わせて430枚ほどの年賀状リストをシェイプアップすることにした。私のひらめきで360枚 限定とすることにした。私達の観点は「そのご家庭の幸せを本当に祈る気持ちがあるのか」である。我が家から 360度の方向に、日頃の感謝と変わらぬ幸福を発信したい。
 年が明けて少し日が経った頃、久しぶりに再会した方から、「いただいた年賀状を家に飾ってあるの。 私もそういう気持ちで生きたいと思って。」という最高に嬉しいお言葉をちょうだいした。それは360枚目に 出した年賀状だった。

(ひらめきのペガサス)   







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