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■21世紀の企業像 −経営層のあり方− キーフレーズ:組織化の能力 人の成功を見て、さびしく感じたり、嫉妬を感じたりする時、大切なことは素直にその人から学ぼうとする積極的、意欲的な姿勢である。そして成功した人は、その成功を自分だけのものにするのではなく、周囲にいる人の成功のために役立とうとする積極的、意欲的な姿勢がやはり重要となる。結局、どちらの立場でも「自分だけ」にしか意識が及ばず、曖昧な姿勢を続けると、2人の関係は発展せず、誤った方向にさえ進んでしまう。「自分だけ」の世界から、「相手との共有」を意識することに人間関係成功の鍵がある。 上述の話しは個人レベルの話しであるが、企業レベルにおいても、同僚、先輩後輩、組織単位(課、部、事業部など)の間において、同様の問題が常に発生している。自分或いは、自分が属するグループにしか意識が及ばないことがほとんどと言って過言でない。他人、他のグループが成功しても、素直に評価できなかったり、無関心を装ったり、否定的な意見を述べたりという状況にある。 かつて90年代には能力主義、年棒制度が話題となり、それまでの日本企業の慣習であった年功序列、終身雇用制度が批判の対象となった。その後これら従来の慣習が崩壊し、企業が効率よく動き出すかと期待されたが、世界的経済不振、ITバブル崩壊後、企業とりわけ経営層は自社組織の在り方に悩んでいる。従来の年功序列、終身雇用を担保とした、社員の会社に対する継続的忠誠心はもはや期待もできず、社員1人1人の意識は前述の通り高まらない。むしろ社員のモラルが低下しつつあるとも懸念される。 最先端を自負する企業群、カリスマ経営者を有する企業を除いて、もはや社員に強い動機付けを与えることは困難になってきている。従来希望が殺到した超一流企業でさえ、給与は低迷し、リストラが進み、全く当てにならないのが現状なのである。 このような時代となり、求められる企業経営層の「能力」とはどのようなものであろうか? 当然ながら、多くの企業の経営者が悩んでいる、「活力ある組織を形成する能力」であろう。ではそのために必要な経営層の資質は何であろうか? WHOM(フーム)のHOW・WHYの法則がその必要な資質を伝えている。HOW・WHYの法則によれば、『完成は、まずHOWが成熟し、WHYと一致することによって成される』としている。HOW・WHYの法則を経営層の「組織化能力に必要な資質」に適用したのが図1である。
すでに「人的資源管理(社員教育)」と題した記事においても、同様の図を用いて社員教育の在り方について記したことがあったが、経営層の組織化能力についても同様の図があてはまる。 それは図1に示すとおり、まず経営層は社員に対して、@「愛情と信頼」を中心としたWHY観点に基づく動機付けが必要である。その経営層と社員の関係は上から押付ける従属関係ではなく、図の@の矢印の方向が示すとおり、互いに同一ライン上で、「愛情と信頼」により交流するわけである。「愛情と信頼」という世界では、互いが互いのことを自分のことのように大切に思うからである。 (注)WHY観点:なぜ?という、動機、目的に係わる観点。 次に経営層は自らの業績、経験を活かして、A「知恵と意志力、技術力・ノウハウ」といったHOW観点に基づく能力を社員に伝授する必要がある。その時、図のAの矢印の方向が示すとおり、飽くまで社員の能力向上を願い、社員を下から支えるような姿勢が必要である。 (注)HOW観点:どのように?という、方法、手段に係わる観点。 そして、社員がHOW観点から能力を積み上げ、より経営層の期待(WHY観点)に応えることができるようになって、その組織は活性化するわけである。なぜなら、このような経営層の姿勢、資質があってこそ、社員は経営層の姿に強く引かれ、自身もそのごとく生きてみたいと願う伝統が立つわけである。 このように考えると、経営層の立場は決して楽なものではない。つまり@「愛情と信頼」を中心とした社員との交流が可能で、かつ、A「知恵と意志力、技術力・ノウハウ」といった能力を社員に伝授することが可能でなくてはならないからである。 つい先日、新聞に興味深い記事が記されていた。あの名門トヨタが、これまで社内人事制度において成果主義を重視してきた結果、中間管理職が部下育成より、個人の業績を優先する傾向が強まるということを認め、中間管理職の人事評価として、今後は部下育成能力にウエイトをシフトすることを決定している。 (YOSHI) |
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