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■タイトル:21世紀の企業像 −生産効率について (T)−

キーフレーズ: WHY的アプローチによる生産効率の向上


生産効率とはいったい何であろうか?

「我社は、新しい設備、システムの導入により、生産効率の向上を目指します…」、といった具合に頻繁に使われている言葉でありながら、意外とその定量的な定義が教科書に見当たらない。たしかに文字どおり「単位時間当たりの生産量」を表わす指標ではあるが、その指標に影響を与える要因として重要視すべきものは何であろうか?

生産効率の一般的な考え方は次の通りである。


   生産効率 = (生産量)/(生産に必要なインプット)


生産に必要なインプット(投入量)とは、原材料、設備、システム、ユーティリティ(電気、ガス、水)、情報、そして人を意味する。

生産効率を向上するということは、上記の式で、分母である "生産に必要なインプット" を最小として、分子である "生産量" を最大にすることを目指す。生産効率向上の重要性は、生産に必要な製造原価の低減にある。即ち、生産効率が向上すると、低い原価で多くの生産量(或いは付加価値)を産み出すことができ、利益率が向上するわけである。

生産効率の向上は一企業として、製造原価を抑え、利益率を良くするといった面に留まらず、経済全体の効率の向上、さらには地球規模の資源の有効活用につながるため、極めて重要なテーマである。

例えば人が棒で田畑を耕しているよりは、鍬(くわ)を使う方が生産効率は上がり、田畑が広ければ機械化して耕運機を用いる方がさらに生産効率が上がる。この例でもわかるように、生産効率を向上することができれば、一定量の生産にかかわる時間を節約することができ、個人としては余暇が増える。そのため生産効率の向上は、個人の文化的生活にも大きな影響を及ぼす。

では、この生産効率を向上するためにはどのようにすれば良いのか? それには、最新設備の導入、設備稼働率の向上、人員の有効利用、工程管理などにより、生産量を増加させるという「量的なアプローチ」と、生産しても不良品、低品質の製品が発生すれば意味がないので、品質を向上するという「質的なアプローチ」が考えられる。

従来、この「量的なアプローチ」、「質的なアプローチ」により、生産効率の向上が図られて来たが、現代においては、企業からの一方的な大量生産による生産効率向上の効果(スケールメリット)は薄いと考える。その理由は、経済先進国においてはすでに大量の物が人々に行き渡っていること、消費者の嗜好の多様化、さらには最近の不景気による消費そのものの低下があげられる。

従って、生産効率の向上を考える場合に、安易な設備投資より、まずは人の要因について再度注目すべきであると考える。実はこの人の要因こそ、生産効率化の最大要因であり、仮に設備投資を実施したとしても、人の要因も合わせて改善されなければ、設備投資の効果は半減する。

(そのUに続く)

(YOSHI)





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